201112
 

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編集委員:張淑芬/張家瑜/孫創洲/林聖剛/李元戎/邱蘭雅

顧問:林秋琴/何愛文/莊淑貞

12月号の内容

最新法令

台日投資取決めの締結

台湾企業の中国進出に関する商標保障メカニズムの強化―TIPOが両岸商標処理協力作業要点を公告

当所の業務成果

Robert Boschによる「BOSCHMED及びその図」登録商標に対する異議申立案が成立

実務見解/法律ニュース

最高行政裁判所による「所属技術の分野における通常の知識を有する者」についての見解

侵害品滅却請求権、善意の第三者が所有する物品には適用せず=IP裁判所判断

発明特許の加速審査案件の統計

TIPO、発明特許の再審査情報の電子照会サービスを開始

日月光(ASE)半導体の“aMAPPoP”商標出願が棄却

燦坤の会員特典商標出願が棄却

警告状において登録商標番号と図形が未表示であれば公平法違反に

件数で計算する著作権の権利金債権、5年の短期消滅時効は不適用

日系企業の駐台研究開発センターの設立について

最新法令

最新動向 What's New

台日投資取決めの締結

台湾と日本は2011922日、「投資の自由化、促進及び保護に関する取決め」を締結した。投資保護対象については、これまでの動産及び不動産のほか、技術、知的財産権、及び有価証券等の資産まで拡大。同取決めによると、台日双方は相手国の投資家に対し内国民待遇及び最恵国待遇の適用を承諾したと共に、国有化のための収用及び合理的な補償、紛争解決メカニズム等についても明文で規定した。(特許部 李元戎パテントエンジニア)

台湾企業の中国進出に関する商標保障メカニズムの強化―TIPOが両岸商標処理協力作業要点を公告

20106月に台湾と中国との間で締結された「海峡両岸知的財産権保護提携協議」の第7点が定める「両岸商標法律執行に関する処理協力メカニズム」を着実に実行するため、知的財産局(TIPO)は今年(2011年)1019日、「両岸商標処理協力作業要点」を公告した。同要点によると、今後、台湾の政府機関、法人、団体、個人及び中国駐在の台資企業の所有する商標が、中国で第三者の悪意により商標、企業名稱又は商号名称として一歩先に登録され、若しくは商標が偽造されたことによりその権利が侵害された後、本来の商標所有者が商標出願又は商標権維持に係る救済過程において不合理な待遇や不公平な待遇を受けたり、中国の法令や商標審査・審理基準に反する官庁の処置を受けたりし、且つその案件が依然として中国の国家商工行政管理総局の所属機關に係属されている場合、書面若しくは電子メールにてTIPOに対し処理協力を請求することができ、TIPOは、その請求を中国の商工行政管理総局に通報し相手側の協力を求める。但し、その案件が既に中国の裁判所に係属されている場合、前記TIPOによる通報は行わない。また、平等互恵原則及び相互尊重原則に基き、たとえ前記処理協力メカニズムがあったとしても相手国による商標法令又は審理基準に基づく判断を尊重する方針。また、仮に処理協力を求めた後、請求者に不利な結果となった場合は、依然として相手国の法律制度に従って救済を求めなければならない。(商標部 尤雲英)

林秋琴弁護士、何愛文弁護士、王仁君弁護士、張家瑜弁護士、林聖剛パテントエンジニアは1112日∼1116日、Asian Patent Attorneys Associationがフィリピンのマニラで開催した「59th Council Meeting」に参加した。

張淑芬顧問が執筆したコラム『台湾においてすでに商標登録された日本の地名、その対策は?』が、山口県JETRO国際海外通信(2011Vol.18)に掲載された。

林秋琴弁護士は917日、APAA台湾が台湾大学で開催した「知的財産案件審理セミナー・APAA四十周年祝賀茶会」の開幕式で司会者を務めた。

陳萍パテントエンジニアは114日、中華民国全国工業総会が台湾大学で開催した「大陸台商(中国大陸の台湾企業)の知的財産権の行政法執行保護座談会」に参加した。

呉俊銘パテントエンジニアは104日、中華民国弁理士公会が台北で開催した「設計パテントの出願実務と保護戦略」セミナーに参加した。

徐瑞毅弁護士は923日、中華民国製薬発展協会が台湾大学で開催した「薬品特許訴訟の実務と薬品メーカーの営業マーケティングの法律リスク」セミナーに参加した。

当所の業務成果

Robert Boschによる「BOSCHMED及びその図」登録商標に対する異議申立案が成立

Robert Boschは、自身の著名商標「BOSCH」に基づき台湾博士美德(boschmed)国際企業の、医療用品に使用する「BOSCHMED及びその図」登録商標に対し異議申立を行った(当所代理)。TIPOによる審査の結果では、「BOSCH」商標の高い知名度を是認すると共に、『被異議申立商標の「MED」にはMedical又はMedicineの意味が含まれているが、同類商品に係る登録商標文字の末尾にも「MED」が多用されているので、被異議申立商標は識別性が低いものとなみす。また、両方の商標には共に識別性の強い文字である「BOSCH」を有しているので、その近似の程度は低いとは言えず、更に、異議申立人の「BOSCH」商標が関連消費者に熟知されていることや、異議申立人が多角化経営を行っていること、現今、世界的に知名度の高い家電メーカーの殆どが医療用品分野に進出していること等を総合的に考量すると、関連消費者は「BOSCHMED及びその図」商標の付いた医療用品をRobert Bosch由来のものと誤認するか、両社の間に特定の関係があるとの誤認による混同誤認が発生する可能性が極めて高い』と判断し、商標法第23条第1項第12号の規定に基づいて前記登録商標を取り下げることとした。(商標部 韋宗含マネジャー

実務見解/法律ニュース

最高行政裁判所による「所属技術の分野における通常の知識を有する者」についての見解

日系の日亜化学工業(日亜化工)の実用新案第89036号特許は、億光電子工業(億光)に摘発されたが、TIPOは審査後、これが成立しないとの処分を下した。億光は同審査結果に対し訴願を提起したが退けられ、知的財産(IP)裁判所に行政訴訟を起こした。IP裁判所は当該特許は実用新案の特許要件を充たさないと判断し、原処分及び原訴願決定を取消す判決を下した。日亜化工は当該判決を不服とし、最高行政裁判所に本件上訴を提起した。この上訴に対し、最高行政裁判所は、原審判決は適法であると判断し、これを棄却。また同裁判所は判決の中で、下記の見解を示した。創作性の判断主体は「当該技術を熟知する者」であるが、「当該技術を熟知する者」は必ずしも設計者の身分を持つ者ではなく、またはこれに限定するものではない。「所属技術の分野における通常の知識を有する者」というのは、上記のいわゆる設計する能力を有する者を指す他、当該技術の分野において通常の知識を有する消費者も含む。「所属技術の分野における通常の知識を有する者」は、ある種の認識、判断の能力を指すのであって、身分を指すのではない。よって、「所属技術の分野における通常の知識を有する者」は、設計者か消費者であるかの身分を指すかについて、区別する必要はない。(徐瑞毅弁護士)

侵害品滅却請求権、善意の第三者が所有する物品には適用せず=IP裁判所判断

台湾奈米科技応用は原告として、被告が同社の第183864号実用新案を侵害したとして起訴、侵害品である機械設備を乗せた機体の滅却を請求した。これに対し、被告は同実用新案は進歩性を有さないため、同実用新案に基づく権利主張を認めるべきでないと抗弁。IP裁判所は、同実用新案は進歩性を有さないとの理由で取り消されるべきと認定し、原告の機体滅却請求を棄却した。また、IP裁判所は本判決において、特許権者の権利行使は合理性と正当性を有するべきであると共に、善意の第三者の保護原則にも留意しなければならないと言及した。つまり、権利濫用を防ぎ、善意の第三者の予期せぬ損失や、無駄な社会コストの増加を避けるため、特許権者は悪意の第三者に対してのみ滅却請求権を行使することが可能であり、善意の第三者に対しての滅却請求権の行使はできないとした。更に、IP裁判所は、一般の消費者と比べ代理店は比較的、侵害品であるか否かを判断する能力を有し、侵害品の販売により利益を得ることがあるため、より高い注意義務と責任を代理店に課されるべきであるが、特許技術が日々進化している中で、侵害品の判断責任をすべて代理店に課するのは過酷であると考え、代理店が侵害品を善意で取得した場合には、責めに帰するべき事由がないとし、特許権者は善意の同代理店が所有または所持する侵害品に対し滅却請求権を行使することができない、とした。 (徐瑞毅弁護士)

発明特許の加速審査案件の統計

TIPOの現行実務によると、発明特許の加速審査(AEP)を申請できる事由は以下の三つである。1. 対応する外国での出願が外国の特許庁による実体審査を経て許可されたもの。2. 対応する外国での出願が米国、日本又は欧州の特許庁から拒絶理由通知書及び検索報告を受けたが、まだ査定されていないもの。3. 商業実施上の必要があるもの。201119月の加速審査申請案件の統計によると、事由1で提出された案件が最も多く、総数の約8割を占める。申請者の国籍別では、上位から台湾、日本、米国の順で多かった。三カ国の事由1による加速審査申請の提出案件はそれぞれ200件余りで、台湾の申請者の事由3による提出案件は139件、他国より明らかに多かった。なお、主張する対応案件の出願国で統計すると、米国は501件で最も多く、次いで日本と中国がそれぞれ100件余りだった。(特許部 王奕軒パテントエンジニア)

TIPO、発明特許の再審査情報の電子照会サービスを開始

TIPO2011121よりe網通のウェブサイトhttps://tiponet.tipo.gov.tw発明特許再審査経過情報を照会できるサービスを提供。当事者は情報開示された案件の再審査経過情報及び関連書類の電子ファイルをオンラインで閲覧できるようになった。再審査経過情報の照会可能な案件範囲は、再審査手続きに入り、且つ2011121日以降に1回目の審査意見(審査意見通知書、再審査特許査定通知書或いは再審査拒絶理由通知書を含む)を受ける発明特許案である。(特許部 郭耀襄パテントエンジニア)

日月光(ASE半導体の“aMAPPoP”商標出願が棄却

台湾の日月光(ASE)半導体の“aMAPPoP”商標出願に対し、TIPO商標の識別性なしとの理由で拒絶査定とした。その後、ASEは行政訴訟を提起したが、IP裁判所は、『当該商標出願における「MAP」は自動化製造協定の英略語、「PoP」はパッケージ・オン・パッケージを意味するものであり、何れも業界では周知の特定の技術概念に過ぎないことから、商標全体として識別性を有するものとは言えないので、法律により登録査定すべきではない』として棄却判決を下した。

燦坤の員特典商標出願が棄却

台湾の燦坤実業は、会員特典商標を広告企画、電気用品及び電子材料小売業等として役務指定を行ったが、同商標はTIPO商標の識別性なしとの理由で拒絶査定した。その後、IP裁判所は『文字のデザインが工夫されておらず、横書の中国語である「会員特典」は先天の識別性を有さず、また、燦坤は当該商標を会員へ提供する特別な料金割引に関する宣伝用語と混ぜて使用しているため、消費者取引では役務の識別標識として認定され難く、後天の識別性も取得し難い』との理由で、TIPOによる元処分を維持した。(商標部 簡霆霆弁護士)

警告状において登録商標番号と図形が未表示であれば公平法違反に

食肉業者の金農興生物科技が「香草豬(ハーブ豚)」という登録商標を有する一方、競争業者である巧活会社が「黑鑽雞(黒ダイヤモンド鳥)」という登録商標を有している。ところが、金農興が市場で「黑鑽香草豬(黒ダイヤモンド・ハーブ豚)」という商品を売り出したため、巧活は同社の「黑鑽(黒ダイヤモンド)」商標を侵害されたとして、金農興及びその川下の流通業者に対し警告状を送付した。これに対し、金農興は直ちに「頂級香草豬(超高級ハーブ豚)」へと包装を変更し、販売中止を免れた。しかし、公平交易委員会は巧活の警告状に商標番号と図形が表示されておらず、川下の流通業者がそれを受け取っても権利侵害に該当するかどうか判断できないため、効率を重視する競争業界の市場秩序に影響する恐れがあると判断し、公平法24条違反として、巧活に台湾ドル5万元の過料を課した。(張家瑜 弁護士)

件数で計算する著作権の権利金債権、5年の短期消滅時効は不適用

知的財産裁判所の20111020日付判決によると、商品を販売する度に著作権の権利金を支払うという内容の契約について、たとえ権利金が月締めであっても、商品の販売がなければ権利金を支払う必要がないため、同権利金債権は一年以下の時間経過により順次発生するものではないと判断した。また、民法126条で定めた1年以下の定期債権に関する5年の短期消滅時効の規定を適用せず、一般債権の15年消滅時効を適用するとした(張家瑜 弁護士)

日系企業の駐台研究開発センターの設立について

経済部は先ごろ、外国企業による台湾での研究開発センターの設立に関する奨励計画に基づき、日系企業の台湾小学館による小学館国際デジタル教育研究開発センター計画及び台湾東電化による“TDK台湾研究開発センター計画を承認した。

小学館国際デジタル教育研究開発センターは小学館にとって海外初の研究開発センターになる見通しである。

一方、台湾東電化は日本のTDK本社が海外で成立した最初の子会社である。昨年、台湾と中国との間でECFA(両岸経済協力枠組協議)が締結されて以来、TDK本社では台湾TDKの役割の拡大を考慮しており、台湾TDKの経営モデルを本来の製造中心から研究開発中心転換し、中国市場及び東南アジア市場に向けた戦略センターとなると期待している。(特許部 李元戎)

 

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