201008
 

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編集委員:張家瑜/孫創洲/林慈政/林聖剛/邱蘭雅

顧問:林秋琴/何愛文/韋宗含

8月号の内容

最新法令

知的財産局、著作財産権の質権設定登記及び開示規定の草案を制定

知的財産局、特許修正申請を緩和

実務見解/法律ニュース

知的財産権保護に関する中台協定の重点

知的財産局が商標法改正へ、他者の著名商標の自社英語名称としての登録を禁止、市場の混乱及び他者の信用に対する侵害を防止

知的財産局は出願者により修正された特許請求の範囲に特許法の同条項に違反する事由があると認定した場合、意見書の提出または補正をするよう書面で出願者に通知する必要があり、勝手に拒絶査定をしてはいけない

米企業Microchip社が著作権侵害(マイクロプログラム)として当事務所のクライアントを提訴した件で、当事務所はクライアントを弁護し、知的財産裁判所の「無罪」判決を獲得

知的財産局の拒絶査定に対し当所が代理人として反論、「JETCRETE」商標登録に成功

ifoto」と「iphoto」商標、類似すると裁判所が判断

Apple*Love」商標訴訟、アップルが知的財産局に勝利

Wii改造とDSマジコン、コピープロテクトの不法回避と裁判所が認定

最新法令

知的財産局、著作財産権の質権設定登記及び開示規定の草案を制定

文化創意産業発展法が201023日に制定・公布、発効日は行政院により別途定められる。同法23条の授権規定に従い、知的財産局は「著作財産権の質権設定登記及び開示規定(著作財産權質權登記暨査閲辦法)」草案を制定した。同草案が正式に制定されれば、著作権の質権設定について、著作権者と債権者は知的財産局での登記が可能になり、登記済みの質権は善意の第三者に対抗することができる。(張家瑜弁護士)

知的財産局、特許修正申請を緩和

現行の専利法(日本の特許法に相当する)49条の規定によると、出願人は、出願日または優先日(あれば)から15ヶ月以内、または実体審査の請求のとき、或いは拒絶理由通知書に対する意見提出の期間内に限り、明細書または図面の補充・修正を申請することができる。今年の610日から、知的財産局は新たに「職権に基づく電話による出願人への補充・修正通知」という措置を実施。同措置によると、審査または再審査の係属中の特許出願案について、意見提出期間でない時点で補充・修正をしたい場合、文書で知的財産局に修正希望を表明することができる。知的財産局は原則として、12ヶ月以内に出願者の修正希望に応じ、電話で期限内で補充・修正するよう連絡する。この措置により、出願者が知的財産局の電話通知に基づいて合法的に補充・修正することが可能となる。 (莊淑貞特許部経理)

実務見解/法律ニュース

知的財産権保護に関する中台協定の重点

知的財産権保護に関する中台協定(海峽兩岸智慧財産権保護合作協議)は2010629日の第五回中台民間トップ会談(江陳会)で調印された。そのポイントは下記のとおり。①特許・商標・植物品種権に関する優先権を相互承認、②植物品種権の申請が可能な植物の種類を拡大、③中国で出版する(台湾の)音楽著作物・映像著作物に関する認証を、台湾側が指定する関連協会または団体が行う、④海賊版の取締り、著名商標・地理標示・産地名称の保護、商標抜け駆け登録の防止等、中国・台湾の企業と権利者の知的財産権利を保護する対策として、相互協力と通報体制を構築。(特許部 王奕軒/商標部 陳曉賢)

知的財産局が商標法改正へ、他者の著名商標の自社英語名称としての登録を禁止、市場の混乱及び他者の信用に対する侵害を防止

台湾企業、廣濱國際がインテル社(Intel Corporation)と同様の「Intel」を、会社の英語社名「INTEL-TRANS CO.」として登録した事件について、提訴から5年間を経て、知的財産裁判所は先ごろの差戻し第2回審判で、「廣濱國際の英語社名にIntelという文字はあるが、英語社名は商標法が規定するところの『会社名称』ではない」として、廣濱國際の勝訴判決を下した。また、インテル社はコンピューター業界に属するのに対し、廣濱の主な業務は海運貨物運送取扱で、製品を製造せず、両社は製品貿易上の競争関係を有しておらず、「Intel」の識別性又は業務上の信用を減損するおそれがないとした。なお、廣濱は1999年に当該英語社名を登録してから、税関手続、業務連絡、請求書類、銀行とのやりとり等の合理的な使用として当該英語社名を使っており、「善意」の「INTEL」の使用であると思われ、商標権侵害に該当しない。なお、本件についてインテル社は上訴することができる。

この一方で知的財産局は、本判決が他人の著名商標を勝手に自社の英語社名として登録する悪習を助長させるおそれがあり、市場の混乱及び商標権者の商標権への侵害を招きかねないとして、現商標法621号の「他の営業主体又は出所を表現する標識」を「他の営業主体を表現する名称」と改正する計画を立てており、且つ立法理由には、国際貿易局に登録した英語社名も当該「名称」に含まれると説明している。(商標部柴成妤)

知的財産局は出願者により修正された特許請求の範囲に特許法の同条項に違反する事由があると認定した場合、意見書の提出または補正をするよう書面で出願者に通知する必要があり、勝手に拒絶査定をしてはいけない

経済部訴願委員会は、出願者が発明出願の再審査期間に意見書を提出して特許請求範囲を補正した上で、知的財産局が補正後の特許請求範囲に依然として特許法同条項に違反する事由があると認定した場合、特許法462項に基づき、知財局は当該事由を審査意見通知書簡にて出願者に通知した上で意見書の提出又は請求範囲の補正をするよう求めなければならず、これにより出願者には意見書提出又は請求範囲補正の機会が与えられる、との見解を示した。これは法律により行うべき手続であり、知的財産局は勝手に拒絶査定をしてはならず、もって出願者の合法的な権益を守るとする。(特許部楊世宗)  

米企業Microchip社が著作権侵害(マイクロプログラム)として当事務所のクライアントを提訴した件で、当事務所はクライアントを弁護し、知的財産裁判所の「無罪」判決を獲得

知的財産裁判所は、米著作権局が著作権登録表発行の申請に対し実質審査を行っていない、つまり、登録申請の作品に対し、当該作品が著作権法により保護されるべき著作物であるかどうかについて実質的な認定を行っていないため、米著作権局により登録された著作物について台湾で著作権を主張しようとする場合、台湾の司法機関が事件ごとに法律に基づき、当該著作物が実質上台湾著作権法の保護要件に一致するかどうかについて調査を行うべきである、との見解を示した。本事件の告訴人が争った当該マイクロプログラムの独創性が証明できず、出入力コード対照表を加えても台湾著作権法の規定するコンピュータープログラムの定義と異なり、台湾著作権法の保護対象とはならない。従って、知的財産裁判所は、告訴人又は検察官の提出した証拠で本件被告人に検察官の指摘した著作権違反の行為があることを認定できないとして、一審の判決を取消し、被告人無罪の判決を下した。(何愛文弁護士、范銘祥弁護士)

知的財産局の拒絶査定に対し当所が代理人として反論、「JETCRETE」商標登録に成功

当所は、日本企業・ケミカルグラウト株式会社(良基注入營造股份有限公司)の代理人として、知的財産局に「JETCRETE(ジェットクリート)」の商標出願をしたが、知的財産局は、「JETCRETE」が「コンクリートを打設すること」を意味しており、第37類の各種土木建築工事施工等の指定役務の説明であると認定した上で、「JETCRETE」商標出願に対して拒絶査定を行った。その査定に対して当所は、「JETCRETE」が出願人に創作されたものであり既存の言葉ではないのみならず、既知の定義も存在せず、「コンクリートを打設すること」をも意味していないと反論した。また、出願人が提供した使用証拠により、当該商標が出願人に頻繁に使用されており既に出願人の専用商標になっている事を証明する事ができる。当所による知的財産局の拒絶査定に対する反論が認められたため、商標登録すべき旨の査定は直ちに行われた。 (商標部陳曉賢)

ifoto」と「iphoto」商標、類似すると裁判所が判断

某社(以下「A社」)は2007年、電子広告板等の商品及び役務に使用するための「ifoto」図形商標の設定登録が認められた。米国企業アップル社は、その「ifoto」が自ら有する「IPHOTO」商標に類似するとし、登録異議の申立てを行った。2009年、知的財産局はA社の「ifoto」商標が取り消されるべきであると決定した。知的財産裁判所は先ごろ、知的財産局の取消決定を維持する旨の判決を言渡した。理由として以下の三点が挙げられる:1、「ifoto」及び「IPHOTO」は発音が全く同様であり、類似商標に当たる。2、アップルは1998年からiMaciphotoiBook等「i-」シリーズ商標のコンピューターのソフトウェア・ハードウェア及び関連商品を次々に開発・販売しており、また、「IPHOTO」は写真管理・編集機能を備えたソフトウェア及びデジタル画像に関するサービスであるとして、台湾の関連企業や消費者の間で広く認識されている。3、A社は、商標登録を出願した時点で、「ifoto」が既に関連企業や消費者の間で広く認識されていたことを証明できない。なお、A社はこの件に関し上訴することは可能。 (商標部 柴成妤)

Apple*Love」商標訴訟、アップルが知的財産局に勝利

台湾の某出願人による「ショッピングセンター、通信販売、テレビショッピング、インターネットショッピング」等の役務に使用するための「Apple*Love」商標の設定登録は2007年、知的財産局に認められた。米国企業アップル社は、その「Apple*Love」商標が自ら有する「APPLE CENTER」商標に類似するため、これがアップルの商標であると消費者に混同・誤認を生じさせるおそれがあるとし、登録異議の申立てを行った。しかし、知的財産局はこれについて商標登録を維持すべき旨の決定をした。知的財産裁判所は先ごろ、知的財産局が「Apple*Love」商標登録を取消すべきであり、アップル勝訴の旨の判決を言渡した。その判決要旨によると、「Apple*Love」及び「APPLE CENTER」は類似商標に当たるのみならず、指定役務も類似しているため、両商標の役務が同一の出所から由来する、或いは両商標の商品が同一の企業、授権関係、フランチャイズ関係のある企業から由来すると混同誤認させる恐れがある。したがって、「Apple*Love」については、商標法により商標登録を行うことが出来ないとしなければならない。 (商標部 柴成妤) 

Wii改造とDSマジコン、コピープロテクトの不法回避と裁判所が認定

著作権法80条ノ1では、著作権者が採用しているコピープロテクトを解除・破壊またはその他の方法により回避してはならない、と定めている。台北地方裁判所は、Wiiゲーム機への改造用のICチップの取り付け、又はDS携帯ゲーム機におけるマジコンの使用は、コピープロテクトコード(copy prevention code)の機能を不正に阻害し、任天堂が採用しているコピープロテクト措置を不法に回避したと認め、同条違反として著作権法96条ノ1の刑罰を下した。(張家瑜弁護士

 

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